人外に萌える(「セントールの悩み」感想)
委員長の真面目さをどうやって見る人に伝えるか。メガネだ。それだけで知的。真面目。メガネ。でも、それ以外のアイテムを使っていいんではないか。 たとえば翼。
- 作者: 村山慶
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2012/02/13
- メディア: コミック
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最近、人外にはまっている。ということで、「セントールの悩み」。(村山慶、COMICリュウ2011年2月号にて初出。2011年5月から連載、現時点で3巻。)セントール(Centaur)とは、ケンタウロスの英語読み。人外と言ってもほぼ人だけど。
主人公は上の表紙でトスを上げてる人馬の「姫乃」。人馬だけでなく、竜人や角人など、様々な形態の人たちが出てくる。一見すると、ファンタジーで、設定で押してきそうな気もする。あるいは「竜の学校は山の上」のようなものかと思うとそれも違う。読んでいくと裏切られる。
ここではフツーに女子高生の日常を描いているのだ。あくまで日常系のマンガ。
じゃあ、セントールは何に悩んでいるのか。外見による差別といった話も出てくるが、本人からしてみたらメインの悩みではない。女子高生なのだから、その悩みは体重であったり、勉強であったり、スポーツであったり、人間と同じなのである。(0話の悩みはもっと生々しい)ただ、人外であることを活かして、他ではなかなかできない設定や視点で悩みが描かれる。
姫乃はそのどうなってんだって髪型と、ルックスからまさに「姫」。でも、下半身が馬だから他の人たちに比べて圧倒的に重い。モデルかつデブキャラだ。タマちゃんはメガネこそしてないが、天使のような翼で委員長の座を不動のものとしている。幼稚園児に猫耳としっぽがついてたら最強。
ある意味、日常系の極致だと思う。
ありきたりの設定じゃあ今更だし、突飛にしすぎれば日常が崩れる。それが、人間から離れることで、新しいキャラが、日常が現れる。
もちろん、人外とすることで縛りから解放されても、ありえない世界なので違和感だらけになるだろう。それをこのマンガでは各形態の生活や世界観を丁寧に描くことで、「そういうものだ」と感じさせている。
ケンタウロスのトイレについて、きちんと描写したマンガは稀だと思う。少なくとも自分はみたことない。「はたらけ、ケンタウロス!」でも秘密にされていた。ファッションにしても、そもそも服をどうやって脱いだり、着たりしてるのか。
ここら辺の想像力が、もうそこで生活したことがあるんじゃないかというすごさ。ぼくもそこに行きたいです。
人外という点だけが属性なのではない。人外によって属性が強化され、また、新たな属性が付与される。満腹感もある日常系は人外によって新たな段階へ。
人外に萌える。
- 作者: 村山慶
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2011/11/30
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- 作者: 村山慶
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2月に4巻出るとのこと。
- 作者: 村山慶
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これはこれですごく好き。どこかで書ければ。
- 作者: 九井諒子
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