中学生はセイチョウ中!(「中学性日記」感想)
悶々とするアラサーを描いた「mon*mon」に続き、シモダアサミの2作目「中学性日記」(月刊アクションにて2013年7月号より連載中、既刊1巻)。
中学性日記(1) (アクションコミックス(月刊アクション))
- 作者: シモダアサミ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2014/02/10
- メディア: コミック
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「mon*mon」については↓で以前取り上げたけど、今度は性に悩む中学生たちのお話。
アラサーは悶々としてます!(「mon*mon」感想)
とりあえず、一巻の内容は↓こんな感じ。
1話.杉田くんとおっぱい
2話.森田くんのチン毛
3話.花巻さんは普通
4話.前野くんの発芽
5話.小鳥ちゃんのお肉
相変わらずのスガスガしさ!
スッキリした絵柄とストレートな展開、でもイヤらしくはない。
「mon*mon」の記事にて、『ココロとカラダが一致しない感覚がアラサーと中学生って似てるんじゃないか』って書いたけど、やっぱり中学生は悩み多いわ。
この頃に抱いたコンプレックスとか、植えつけられたトラウマって下手すると人生を歪めるぐらいおっきなことだと思う。
自分は中学生ぐらいの頃って、背も低かったり、色んな意味で「セイチョウ」が遅かったから、コンプレックス結構あったなぁ~。それで、すごく内気になってた感じするし。周りのおバカな奴らと一緒になって好奇心を前面に出してたら今頃人生変わってたかも。
さて、この「中学性日記」でも第二次性徴ど真ん中の中学生が様々な性の問題に悩んでる。
中学生にもなって変化が出はじめると、今まで意識しなかったようなことを嫌でも意識しないといけなくなる。
成長が早い人もいれば、遅い人もいる。
どっちも、他の人との違いに悩む。
男女差も大きくなってくる。
あれ?
もしかして自分って普通じゃない??
すっごく不安。
恥ずかしくて誰にも相談できないし、他の人のもはっきりと見えるわけじゃない。
何より、一番見えないのは自分の未来。
いつ現れる?どこまで育つ?
不安はふくらむばかり。
でも、このマンガの中でシモダアサミが見せるマジックはこれをひっくり返す。
悩める中学生をクスッと笑える話に、でもすっごくポジティブに受け止める。
違いがあるって素晴らしいこと。
それが個性ってもんだし。
あるいは、ちょっとオープンにしてみれば、実はみんなと大差なかったり。
木野さん、、いいこと言う!!
こういう本こそ、中学校の図書館に置くべきでしょ。あるいはクラスに一冊。
真面目な性教育なんて不安を煽るばっかり。
親も教師も、性教育なんてみんな苦手でしょ。
小難しいこと考えるんなら、このマンガをチラッと見えそうで見えないところに置いといて、勝手に読んでもらった方がずっとためになると思う。
かわいい女の子を、かわいく描くのは、マンガ家の画力としてそりゃあ確かに重要なことだろう。
でも、一見普通の子、あるいはブサイクな子を魅力的に見せる、その表現力のある作家にこそ自分は惹かれる。
むしろ、かわいい子やカッコいい男をそのまま描くのは残酷ですらある。
読者は、自分の外見のレベルが低いことを、ブサイクだということを思い知らされる。
一般的な価値観で良いか、悪いかではなく、新しい価値観でそれをひっくり返す。
昨日まで嫌ってたものを、「アレ?これはこれでいいんじゃね?」って思わせるのが本当のスゴさ。
読者の世界を、昨日と今日とでガラリと変える。
この「中学性日記」もそんなマンガ。
自分を、違いを受け入れる。
未知の不安を、期待に変える。
マンガのタイプは違うけど、志村貴子の作品に出会ったときのような衝撃。
おススメです!
++++ あとがき追記 ++++
「中学性日記」感想のあとがき
中学性日記(1) (アクションコミックス(月刊アクション))
- 作者: シモダアサミ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2014/02/10
- メディア: コミック
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ちなみに、ニコニコ静画でもちょっと見れる。
http://seiga.nicovideo.jp/comic/7597
もちろん「mon*mon」もおススメ。アラサーには特に。
- 作者: シモダアサミ
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2013/08/07
- メディア: コミック
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性を受け入れるという点では、放浪息子ははずせない。これもいつか記事書きたい。
- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / エンターブレイン
- 発売日: 2012/09/01
- メディア: Kindle版
- 購入: 1人
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