生きてる証拠(「橙は、半透明に二度寝する」感想)
前に記事を書いた時から、早くも4か月近くが経ってたのか。。毎年この時期は忙しくて、ブログ書くような気力がわかんなー。でも、その間にもアクセスあったりして少し不思議。ま、少しずつ再開。
この間にもマンガは読んでたけど、その中で一番インパクトあったやつを。「橙は、半透明に二度寝する」(阿部洋一、別冊少年マガジンにて2013年5月号より連載中、既刊1巻)。
- 作者: 阿部洋一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/06/09
- メディア: Kindle版
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なんとなく表紙に惹かれて買った。紙の単行本だと帯で隠れてるから普通の絵に見えるんだけど、なんか手に取りたくなるオーラが出てた。Amazonの画像だと下見えちゃってますが。。
で、パラパラと読んでったら、、
グロっ…
グロい!!
この作者の作品読んだの初めてだけど、やべーコレ!
頭おかしい!いや、褒め言葉として。
内容は短編で7話収録。橙町の女子高生を中心にした「日常」と、そのすぐ隣にある「非日常」のお話。
まぁ、本当にグロいのは第1話ぐらいだけど、他の話もぶっ飛んでる。
イカと戦ったりね。
で、もうどの話も支離滅裂で、突然爆死したり、銃で撃たれたりしてるんだけど、なぜかサワヤカ。
読み返してみると、そうか、死んだり殺したりっていうのと、幸不幸って全然別のことかと。この中で悲しんでるのって友人が爆死しちゃった女の子ぐらいで、その他はメチャクチャでもシアワセ。
幸せというか、本当の意味で「生きてる」。
『ドキドキすることが生きてる証拠なのに
それをおさえて生きてるのは死んでるのも同じだって』
(二件目「爆死病」より)
独特な描写にこんなセリフまでつけて、一見哲学的というか、生に対する現代の若者的発想というか、なんかそんな深そうなことを思わされたりもする。
でも、一方ですげー薄っぺらくも感じる。
そうやって「深い…」みたいに思ってしまうことこそ、作者に弄ばれてるような気もする。
そんなセリフなんてとってつけただけで、ただ、イカを殴りたかっただけかもしれないし。
計算ずくでそうした「深さ」を描く人もいれば、自分の内側にあるドロドロとしたものを原稿に吐き出すことで結果として「深くなってしまった」という人と。後者の方が少ないんだろうけど、そっちのタイプなのではないか。
なんて、全く的外れか。
圧倒的すぎて、何が真意なのか測ることもできない。スカウターで見たら「ボンッ!」ってなりそうなぐらいのセンス。「唯一無二の鬼才」と帯に紹介されてるのも納得。
未読の方は是非。