イワシ式

個人的なマンガの感想を細々と書くブログ

ディープピープル(「マンガ・エロティクス・エフ」感想)

先日のvol.88をもって隔月誌「マンガ・エロティクス・エフ」が休刊となってしまった。14年の歴史に幕。ここ何年かは毎号買ってた雑誌だったので非常に残念。せっかくなのでエロエフの感想でも残しておく。
ちなみに「エフ」とは「Fetishism/Fever/Fantastic」の頭文字らしい。

マンガ・エロティクス・エフ vol.88

マンガ・エロティクス・エフ vol.88



自分が毎号買うようになったのはvol.59からなんで、昔の感じは知らないけど、隔月誌で30号分ぐらいだから結局5年ぐらい読んでたのか。

Vol.59とはっきり言えるのは、その号が「青い花」特集だったから。


そっから、いち早く「青い花」読みたくなって毎号買うようになった。

そしたら、他のマンガも面白いって思って、毎号楽しみだった。
この雑誌に載るようなマンガが好きってことなのかと気づいた。

もちろん、ジャンプとかの少年マンガも、青年向けのも、少女マンガとかも読むし、面白いと思う。
でも、「エロエフ」の面白さはまた別。

少年マンガではファンタジーだったり、ヒーローだったり、現実にない世界が描かれる。少女マンガだとドラマチックで、理想の世界だろうか。

エロエフ」だと、リアルというか、リアルであってリアルでないような、現実の世界のすぐ隣にあるような、そんな世界があった。
薄い布一枚隔てた世界を覗き見するような。
それがエロさってことなのかなーと。


最初、雑誌のタイトルからエロ本みたいなもんだと思ってたけど、実際読んでみたらそんなんじゃなかった。
タブーがほとんどなくて、本当の表現があった。

休刊のはっきりとした理由はわからないけど、今のご時世、こんなマニアックな雑誌を続けるの難しいんだろうな。「青い花」も終わっちゃったし。(そんな状況でもきちんと終わらせられるってすごいことだと思う。)
売上の問題なのか、いろんな規制で難しくなってきたのか、他に何かあったのか。。

最近はみんなビクビクしながらボール球投げ合うような感じだけど、そこではストライクをズバズバ投げ込んでくる作品を読めた。



エロエフ最終号では、無事に「関根くんの恋」も完結。最終5巻は9月発売予定。
いくつかは他誌やWebの「ぽこぽこ」で連載が続けられるらしい。
http://www.poco2.jp/

(「マンガ・エロティクス・エフ」掲載作品の連載継続先について)
http://www.ohtabooks.com/eroticsf/blog/2014/07/08120000.shtml


他に最近終わったのでも「春風のスネグラチカ」なんて、「ショーシャンクの空に」みたいに重い話でも爽やかな読後感だったり。

春風のスネグラチカ (F COMICS)

春風のスネグラチカ (F COMICS)


このブログでも、下の2作を取り上げた。

アラサーは悶々としてます!(「mon*mon」感想)
心ふるわす彼女のパーツ(「彼女のカーブ」感想)

他にも書いておきたいものいっぱいある。



でも一番好きなのは、もちろん「青い花」。
ブログでも感想書きたいけど、自分の中で重くなりすぎてしまって、そうおいそれとは書けない。。
改めて1巻から読み返してしまったけど、1ページ1ページが読み応えたっぷり過ぎる。
名ゼリフがいくつも。
こんなに密度の濃いマンガが他にあるかと。

とりあえず、今Kindleでは1冊半額ほどの500円で買えるので、お得。

青い花(1)

青い花(1)


話としては「放浪息子」の方が好きだけど、マンガ全体の完成度というか、美しさでは「青い花」の方が高いと思う。
無理に優劣つける必要もないので、どちらも人生に残る名作ということで。

それで、最終回の掲載されたエロエフvol.82では「ときめきのリフレイン」と題して志村貴子氏への16,000字に渡るロングインタビューが掲載されている。
これが非常に素晴らしい。
まさにときめきがリフレイン。
青い花」好きな人は是非読んでほしい。単行本に入ってないのが残念。

マンガ・エロティクス・エフ vol.82

マンガ・エロティクス・エフ vol.82


エロエフでは、毎号、対談とかインタビューの特集が組まれてて、これが面白かった。

昔、自分が楽器やってた頃に現役のプロの人のレッスン受けたことあるけど、技術うんぬんよりも、プロってこういうものかというのがすごく心に残った。

エロエフの対談は、本当にプロのマンガ家達が自分のこだわりを語り合ってて、マンガ家ってすげーなって思ったし、やっぱりその道のプロ同士の話ってのは面白いって思った。

前にNHKでやってた「ディープピープル」みたいな。あれのイルカトレーナーの回は、絶対自分の人生には関係ないけど、プロってこんなこだわりがあるのかと興味深かった。

特にエロエフではエロさとか、フェティズムとか、作家の方々の深い部分、業のようなものを垣間見れて、唸ってしまう。

vol.74の「石黒正教×ツナミノユウ×つばな」の回とかめちゃくちゃ面白かった。テーマは「マンガになる前・なるとき・なってから」。真面目だなー。

マンガ・エロティクス・エフ vol.74

マンガ・エロティクス・エフ vol.74

むかーしの調べると、vol.2で「山本直樹×庵野秀明」とかさ、どんな話だったんだ?って。

特集部分だけ電子版で売ってくれないかなと。
もしくは過去の特集全部まとめて一冊の本にしてくれたら1万円でも買う。


私は「独特な視点」っていうのが好きで、そういうのが表現されたものは凄いと思う。
世界は当然ひとつしかないけど、その見え方は一人一人違う。でも、だいたいは似たような感じになってしまう。
そんな中で、他とは違う目をもって、世界が見えてる人もいるのかと。

アウトプットをひたすら極めた「職人」というのもひとつの道だけれど、やはり表現者としてプロになる人はインプットが違うのだと思う。
自分の目で見て、自分の頭で考えて、自分の手で作品にしていく。

そんなマンガがエロエフにはあった。


終わってしまうのは残念ではあるけれど、それが悪いことばかりとも思わない。
ひとつのものが終わって、また新しいものが生まれるんだと思う。
それを楽しみたい。


おつかれさまでした。



自分用に各号のリンクを貼っとこう。面白そうな号はとりよせるか。
Amazonに画像なくてうまくなれないのもあるけど。

vol.1~10

vol.11~20
マンガ・エロティクスf 12

vol.21~30
マンガ・エロティクス・エフ (Vol.23(2003))マンガ・エロティクス・エフ (Vol.25(2004))マンガ・エロティクス・エフ (Vol.26(2004))マンガ・エロティクス・エフ (Vol.27(2004))マンガ・エロティクス・エフ (Vol.28(2004))マンガ・エロティクス・エフ (Vol.29(2004))マンガ・エロティクス・エフ (Vol.30(2004))

vol.31~40
マンガ・エロティクス・エフ (Vol.31(2005))マンガ・エロティクスF vol.32マンガ・エロティクスF vol.33マンガ・エロティクス・エフ (Vol.36(2005))

vol.41~50

vol.51~60

vol.61~70

vol.71~80

vol.81~88

広告を非表示にする