ソウルフード(「このこここのこ」感想)
疲れたとき、苦しいとき、荒れているとき。
心を落ち着かせるために漫画を読む。
そんな一作。
「このこここのこ」(藤こよみ、Comic REX平成21年7月号から平成22年10月まで連載。全3巻)
- 作者: 藤こよみ
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2009/12/09
- メディア: コミック
- 購入: 1人 クリック: 33回
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妻を亡くした男と、夫のいない女が結婚する。
男の方には2人の子ども、大学生の姉と高校2年生の弟(遥斗)がいた。
女の方には3人の子ども、社会人の長男と高校2年生の長女(千紘)と小学1年生の次女がいた。
で、これからみんな一緒に暮らすと見せかけて両親は海外へ飛び立ってしまう。
やむなく残された5人のきょうだいは家族として暮らしていく。
高校生の遥斗と千紘が主人公。
そんなお話。
設定だけ見ると同級生の義理の姉を中心としたハーレムラノベのようにも思うが、この作品は全くそういうものではない。
複雑な状況の中、ひとつひとつのトラブルを乗り越えて、本当の家族になっていく話。
どことなく、昔見たアメリカンホームドラマの「フルハウス」を思い出す。
読むごとに温かな想いがじわ~っと湧き出る。
表面上はあっけないほどすぐに新しい生活に馴染んでしまう。
でも、それは作られた、きれいな日常。
誰かが無理をして、心を殺して、周りに合わせているだけ。
キャッキャ笑って、いっつも仲良しそうな集まりなんて、疲れる。
本当に心から触れ合えば、外からはぐちゃぐちゃに見えるもの。
弱いところを見せ、本音を言い合って、距離が縮まっていく。
ようやく得られる、本当の家族。本当の日常。
自分が学生の頃はLINEもTwitterもなくって気楽だったなーと思う。
当時そんなのあったら、はぶかれないようにと、気が気じゃなかっただろうな。
何でも、見た目はきれいなものが増えた。
表面上は仲良し。
でも、30年ぐらい生きてきて、近頃よく思う。
そんな表面的なつながりをどれだけ集めたところでかえってむなしいだけ。
心から気を許せる相手がどれだけいるか。
なんか最近、家族とか、友情とか、そういう話をみると胸が締め付けられる。
「一番大事なものは何か」
細かいことに振り回されてイライラする日々に、そんな原点を思い出させてくれる。
爆発的な面白さはないかもしれないけど、おふくろの味的な漫画。
未読の方は是非。
- 作者: 藤こよみ
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