自分に負けんな!熱くなれ!(「イチゴーイチハチ!」感想)
名作「GUNSLINGER GIRL」の作者である相田裕の新作「イチゴーイチハチ!」(ビッグコミックスピリッツ 2014年37・38合併号から連載中、既刊2巻)
ガンスリンガーガールは義体化された少女達がボコボコ人を殺し、殺されるというかなりハードな漫画だったが、一転して高校の青春生徒会モノ。
- 作者: 相田裕
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2015/06/05
- メディア: Kindle版
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ガンスリは本当に名作だったと思う。今でも読み返すと泣けてくる。
わかってても、8巻のペトラ、9巻のアンジェあたりはずるい。
で、次はどんな悲壮な話なのかと思ってたら、全く別人のような平和な高校生のお話。
校内にアイスの自販機設置するって話で1巻の1/3ぐらい使う。
でも、これを読んでて、根底にあるテーマは一緒だなって思った。
それは「反抗」
話の舞台となる松栢学院大付属武蔵第一高校 - 通称「松武(しょうぶ)」は『県内の公立トップ校を受験する子たちの併願校』。
受験の失敗なり、メインのキャラクターたち以外もここの生徒はみんな何らか挫折を感じて、この高校にくるのだろう。
それでも『"受験で負けたが高校生活では負けない" これが松武生の心意気』
ただ、他の生徒とはちょっと違う事情がある。
タイトルの「1518」はかつての背番号。
怪我で諦めざるを得なくなった15番
女子は男子に勝てないと思い知らされた18番
努力とか才能とか、そういうのとは全く別の、自分ではどうにもならないことで挫折して、どうするか。
中学生ぐらいまでって、自分の世界が狭いから、運動や勉強が得意な人は割と何かしらでトップに立った経験のある人は多い。
で、中にはそこでさらに頑張って、これが自分の人生だと、大人になってもこのレールの上を行くんだと信じる人がいる。
そのレールが急に外れる。
子どもの頃は0か100かしかわからなくって、その瞬間、どうしていいかわからなくなる。
もう人生終わりなのかと。
少年漫画なら「うぉぉぉおおお!!」っつってムチャクチャなリハビリから奇跡が起きて、甲子園を目指すところ。
あるいは、高校からマイナーなスポーツに転向して全国へという展開か。
だが、彼らが進んだのは『月夜にひっそり咲く月見草』に例えられる生徒会。
何か勝ち負けがあるわけではなく、目立つわけではなく、報われない仕事。
そして、中学ではバスケをやっていたものの『そこまで懸ける情熱がなかった』という丸山幸が、その真ん中で動く。
子どもでも、大人でもない、高校生の間に、彼らはそこで何を感じるのか。
そう意識しているわけではないが、ガンスリでクラエスが菜園を育てていたように、彼らにとって日常の一コマ一コマが「意味のない日々」を意味あるものにするための「反抗」。
人生は何もかもが上手くいくわけじゃない。
誰もがスターになれるわけじゃない。
でも、だからと言って、「人生はつまらない」というわけじゃない。
その運命に抗って、日々を面白くすることはできる。
ガンスリの少女達も最後はみんな死んでしまうけど、その生に意味がなかったわけじゃない。
結果に表れるものが全てじゃない。
「諦め」から「反抗」を繰り返して、人は成長していくんだと思う。
まだ2巻だけど、この先めっちゃ期待!
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むっちゃ久しぶりにブログ書いたから、だいぶ手間取った。。