イワシ式

個人的なマンガの感想を細々と書くブログ

希望の風を満帆に!死の海へと舵をとれ!(「終末のマリステラ」感想)

『古の時代 A.D.と呼ばれた時代 人類は終末を迎えた
後 現在に至るまで 終末は遂げられず
地上は 不完全で不条理に満ち 歪なかりそめの住まいのままだ』
(第1巻、p.150)

天使と呼ばれる少女達が異形の魚達と戦うSFマンガ「終末のマリステラ」(高野千春、コミックフラッパーにて2012年3月号より連載中、既刊3巻)



万物の情報を得た人類が、生命や物理環境を意のままに操作できるようになった未来。暴走する欲望は世界を破滅させた。宇宙は「情報の海」となり、わずかな大地だけが残った。

いまだ終末のさなか。

空と海の境界は無く、襲ってくる海洋類を撃退するため、「天使」の素質をもつ合成種(キメラ)の少女達が銃を手に取り戦う。

というお話。


Amazonのレビューを見てると「ストライクウィッチーズ」のようなモノかと思ったら違ったとか、銃の描写がおかしいとかコメントがついてて、いまいち評価が低い。

自分はストライクウィッチーズを見たことないし、ミリタリーにも全然詳しくないので、そこについてはなんとも言えないが、このシリアスな雰囲気はかなりビビッときた。
ぶっちゃけ自分も表紙の天使の少女に惹かれて買ったが、想像と違う方向で当たりだった。こういう雰囲気のものに弱いなぁ~。少なくとも、ミリタリーとかを楽しむ漫画ではないと思う。


とはいえ、正直、世界観もつかめないうちから登場人物が多く、しかもいきなり死んだり孕んだりするしで、最初に1巻を読んだときは消化不良の感が否めない。な、何の話をしてるんだ?って感じ。焦点をどこに合わせればいいのかわからない。

でも、1巻を読み返し、2巻、3巻と進むにつれて、設定が少しずつ見えてくる。
科学、宗教、秘密結社…。確かにSFストーリーマンガです。

じっくりとクラシックでも聴きながら読む漫画。宇宙の壮大さということでホルストの「惑星」でも。
合わない人には合わないと思いますが、1巻で諦めるのはもったいない。


絵もデビュー作と思えない濃密さ。
戦闘の激しさに対して、動きのダイナミックさが薄い感もあるが、それがむしろ全体に終末感を漂わせている。主観でなく客観。世界に入り込ませず、読み手ではどうしようもない無力さを感じさせる。その遠巻きに眺める無力さが、かえって戦場の彼女たちとリンクする。


今後、どうストーリーがどう展開し、締められていくのか。続きが気になる一作。

設定の割にメインのキャラにキメラ的な外見があまりなく、ケモミミが少ないのがちょい残念か。


SF、終末的雰囲気の好きな方は是非。

ちなみに天使達は下着つけません。

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