「僕だけがいない街」感想のあとがき
先日までKindleで角川フェアやってて激安だったからか、マンガ大賞にノミネートされたからか、年末に書いた「僕だけがいない街」の記事がよく読まれている。
せっかくなので、あとがきとして雑感でも書いてみる。
「僕だけがいない街」はループものである。
マンガじゃないけど、最近のループものとしては、「まどかマギカ」なんかはなかなか面白かった。(それももう3年前…?)
でも、自分にとってループもので一番印象に残っているのはスーパーファミコンの「ヘラクレスの栄光Ⅲ」だ。
- 出版社/メーカー: データイースト
- 発売日: 1992/04/24
- メディア: Video Game
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このゲームが出た当時はこんなソフト知らなかったが、何年か前にWiiのバーチャルコンソールでプレイした。
記憶喪失の主人公が目覚めるところから物語は始まる。
いきなり大穴に落ちるが、何故か死なない。
どうやら主人公は不死身らしい。
そして、人が石になっている謎の光景を夢に見る。
その夢の光景を求めて旅に出ると、自分以外に3人の不死者と出会う。
みな、同じ記憶喪失であり、同じ光景を夢に見ている。
旅を続けるうちに不死身となった理由、失われた記憶、神々の思惑などが明らかになっていく…。
敵のエンカウント率は高いし、ザコ敵も微妙に強かったりと、正直、「ゲーム性」という面でのオモシロさは微妙。
ただ、それを補ってあまりあるストーリーの面白さ!!
ループものと言ってしまうと十分ネタバレなのだが、まさに「ゲーム」という特性を活かしたストーリーで、最後はゾクゾク感がたまらない。
ループ自体は最後の方だけであり、ループよりも記憶喪失という要素がストーリーの「続きが気になる!」感を高めているが、やはりあのループが入ることで、一気に話が深くなる。
元記事の方で、ループものは『失った後悔と、「やり直せる」という希望』と書いたが、このゲームでは世界のループと、自分のループと、二重の意味が絡んでいて単純に希望がわいてくるわけではない。
「やり直せる」と言っても「なかったことにできる」とは違う。
いくら繰り返そうとも、過ちは消えない。
最後は「罪と罰」っぽいかな。
20年以上も前のゲームでありながら、ストーリーの深さ、壮大さではなかなかこれを超える作品には出会えない。
WiiかWii Uのバーチャルコンソールでも買えるので、時間のある人は是非!
クリアするには相当根気は必要だけどね。。
ちなみに、Wikipediaみると全てのネタバレ書いてあるので注意。
あと、「僕だけがいない街」では、淡々とした描き方が多いと書いた。
「ヘラクレスの栄光Ⅲ」もグラフィックは今見たらショボッショボである。
でも、だからこそ想像力がかき立てられるのだと思う。
描きこみが多くなり、全てが語られるというのでは、想像する余地がない。
サスペンスというストーリー、
ループという手法、
マンガとしての表現技法。
その全てが想像力を働かせ、自分の頭の中で勝手に展開がふくらんでいく。
結果として印象に残る。
ま、一方で結末によって大きく評価は変わると思うし、この時点で「マンガ大賞」にふさわしいかって言われると微妙かな。
どうなることやら。
++++ 元記事 ++++
ぞくり… (「僕だけがいない街」感想)